鎌倉 鉢の木【和食】精進料理/会席料理/カフェ

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厨房から » 季節の素材物語

第一級の養生食【自然薯】

2012年10月30日

細長い食べ物には精がつくものが多く
昔から自然薯や山芋は「山うなぎ」と呼ばれていました。

中国の資料※で自然薯は食養生として第一級の食材と挙げられています。
日常的に摂ることで精をつけ寿命を延ばす、脳の働きを増し、知力を高める。
その他にも、耳や目の働きを良くし、皮膚に潤いと栄養を与えるなどと書かれています。

治療目的の食事としては、胃腸の働きを高め食欲不振の解消、
慢性の咳の改善などが書かれています。

自然薯の一番効果的な食べ方として、
消化酵素の働きを発揮する生食「すりおろしのとろろ汁」がおすすめです。

現代では、インスリンの分泌を促し血糖値を下げるところから糖尿病に有効とされています。

※中医飲食保健学

冬:里芋

2010年12月11日

足元では落ち葉を踏むかさこそという音が聞こえ、空気もぴんと張り詰めた冬らしい日が続きます。

こんな時期は根菜類がいい。大根、蕪、それにたくさんのイモ類。見てくれはいまいちですが、お日様の恵みをいっぱいに受けて育った野菜たち、身も心も温ためてくれます。
越前大野(福井県大野市)から日本一おいしいといわれる上庄の里芋もとどきました。標高200メートルの上庄といわれる雪深い盆地。雪解けとともに作付けられた里芋はこの地中で養分をたっぷりとって育ち、秋に掘られます。でんぷん、かたさ、実のしまりも抜群。昔から上庄の長い冬の食生活を支えてきた里芋。鉢の木の料理を彩る冬野菜のひとつです。

こんな野菜を調理しているときはお客様が温まり、ほっとされるようすが浮かびます。
私たちの心までほかほかしてきます。

冬:大根

2010年12月11日

比較的温暖なここ鎌倉でも、つめたいと言うより痛いような風がふき始めて、いよいよ冬本番です。

冬場に作られる鎌倉の大根は、太くみずみずしくて、辛味が少なく、甘みが多い。葉は青々としていますが根は透き通るように白いのです。太陽の光を大きな葉で受け、地面の中で養分をたっぷり吸収した大きな大根が実ります。
畑から掘り出された大根は、寒さの中すばやく水洗いされます。美しい白さを出すためにこの作業は欠かせません。
今では少なくなりましたが、鎌倉でもお日様に向かってたくあん用の大根をさらす作業が見られます。晴れた日に富士山を背景にお日様に向かって一列に並ぶ「干し大根」はなつかしい、あたたかい光景です。

どんな料理にも合い、主役にも脇役にもなれるだいこん。そんなところから「大根役者」=癖のない、あたらない役者など、あまり名誉ではない比喩にも使われますが、やっぱり冬場は存在感のある大事な素材。
風呂吹き大根でそのあたたかい素直なおいしさを感じてください。

冬:白菜

2010年12月11日

朝晩には息が白く曇り、落ち葉の舞う音が聞こえてきます。

暖かいものが恋しい季節になりました。 鍋物に相性の良い白菜は、冬が本場です。まだ暖かいうちに芽を出し、太陽に当たって葉がきゅっと締まって結球(玉を作る)します。この時期の寒暖が、肉厚で水分たっぷり、甘みのある白菜を育てます。もちろんビタミンやカルシウムも豊富。冬場の貴重な野菜です。

関東では秋から冬に出荷されますが、鎌倉では寒さが本格的になる頃から春先までが出荷時期。緑もみずみずしく、茎の白さもひときわ輝き、丸々とした大きな白菜が畑で育ちます。遅めに出荷される白菜は寒さから守るため、外側の葉をわらでしばって畑で寒さをすごします。なんだか帯をしているみたいでチャーミング。暖かくなると、白菜からアブラナのような黄色いかわいい花がちょこんと咲きます。

鍋、煮物、漬物にサラダ。白菜は万能選手。食卓をおいしく楽しく飾ってくれま

秋:松茸

2010年9月11日

秋の味覚。栗、銀杏、サツマイモ、かぼちゃ。でもやっぱり松茸は別格。八百屋の店頭にもさまざまな松茸が並びます。国産、輸入物、大きなもの、まだかさも小ぶりなもの。どれもあの独特な香りを漂わせています。

松茸の生える場所は下草のない、きれいな山の松林。松の落葉がしき積もるやわらかい土をさくさくと踏んで探すと、こんもりした落ち葉の下にちょこんと隠れていたりします。つみたての松茸は水分を含み、小さくても、しっとりして重みがあります。もちろん、あたりいっぱいに香ばしくてやさしい香りがひろがっています。今は韓国、中国、カナダからの輸入物もあります。大切な香りが飛ばないよう気をつけて運ばれるため、以前よりずっと品質がよくなりました。やっぱり私たち日本人は松茸が大好き。ちょっと贅沢な香りに、「秋」の豊な光景を重ねています。

鉢の木では、松茸を土瓶蒸し、焼き松茸、お吸い物などに調理します。秋の味と香りを存分に生かして。ぜひお楽しみください。

秋:かぼちゃ

2010年9月11日

天気が良ければ日中は汗ばむほどなのに、朝夕になると寒さを感じる季節。この時期は町のあちこちでハロウィーンにちなんででしょうか、かぼちゃを見かけます。深い緑色の外見に、中は鮮やかなオレンジ。どこか懐かしい名前の響き。見ただけで楽しくなってしまいます。

世界中で愛されているかぼちゃが日本に入ってきたのは戦国時代。カンボジア経由で入ってきたポルトガル人が伝えたとか。カンボジアがなまってかぼちゃ。ちょっとずぼらなエピソードですが、このユーモラスな名前がかぼちゃの愛らしさにぴったり。

この時の原種は中米産でしたが、それ以降「和かぼちゃ」として、各地でとうなす、南京などと呼ばれ作られます。明治以降、水分が少なく甘みが多い南米産の「西洋かぼちゃ」が広まりました。いまではこちらが主流ですが、要は和かぼちゃでも西洋かぼちゃでも、日本の風土に合って広がり、さまざまな種類が生み出されていった、ということでしょう。

キュウリ、スイカ、ヘチマと同じウリ科の植物。そういわれても、色や形が似ているような、似ていないような・・・。何より濃厚な味が他のウリ科植物とはずいぶん違う気がします。植物繊維を多く含み、各種ビタミンやカロチンも豊富。がん予防にも役立つと言われています。実と同様に栄養価が高い種も、いって食べるとちょうど良いおつまみにもなります。

かぼちゃが畑で大きく育つのは夏場。強い日差しの中、緑のつると葉っぱが畑をおおい、黄色の大振りな花の後ろにちょこんとコブのようなものができます。花がしぼんだ後、大きくなっていくコブが実です。ちいさなかぼちゃが、日に日に力強く大きくなっていきます。かぼちゃは実は夏野菜なのです。
収穫されたかぼちゃは風通しのよい日陰に置かれます。取れたては甘みが少なくぱさぱさですが、この熟成期間を経て甘みを増し、果肉の色も一段と鮮やかに赤みを帯びてホクホクとした食感になったかぼちゃが秋に出荷されるのです。

種まき、栽培、収穫、熟成。災害にあわないように、虫がつかないように、傷がつかないように。ずっと大切に見守られたかぼちゃ。鉢の木では、油との相性もよく色彩も活かせることから天ぷらの具材としても使います。さくさくの衣とやわらかい歯ごたえ、コクのある甘みがが口の中に広がります。そんなあたたかい野菜、味わってください。

夏:トマト

2010年7月11日

小さな時は固いみどり。やがて大きくなるとつややかな真っ赤になるトマト。たわわに実った果実は、緑のとさかをちょこんとつけて見た目にも愛らしく、甘みもあり、栄養価も高い。鉢の木でも欠かせない食材です。

さまざまな種類の野菜が作られている鎌倉北部の農振地区、関谷では、数軒の農家はトマト専業。もともとアンデス原産で、高温で湿度が低いことを好むトマトを、温室で雨よけをしたり、支柱を立てて支え、大切に大切に育てています。大ぶりでしっかりしていて緻密な果実。遠くからこの質のよい野菜を求めて来る方もいます。

イタリア語では黄金のリンゴ(ポモドーロ)、フランス語では愛のリンゴ(ポムダムール)と呼ばれるトマト。太陽の恵みを一身に受けた野菜は、他の素材と調和し、和の食材としていかされても存在感があります。その恵みの味をお楽しみください。

夏:獅子唐

2010年7月11日

鮮やかな緑色で細身なのにごつごつとした、ちょっと不器用な形がユーモラスな獅子唐(ししとう)。

先端の部分がへこみ、その中に小突起がある姿が獅子の顔に似ているのでその名が付いたとか。言われてみると個性的でチャーミングな顔が見えてきます。食べるとほかのものは何てことないのに、時々とても辛い実もあります。「大当たり〜」なんて、言ったものです。
原産は中南米。日本には16世紀ごろポルトガル人によって伝えられ、今ではすっかり和風になじみました。ナス科の植物でピーマンや唐辛子と同じ種類、栄養も豊富です。

鎌倉の畑でも、濃い緑の葉の影から獅子唐の白い花や果実が顔を出しているのが見られます。可憐な花は下を向いて、あたかもうつむいているようです。夏の日差しを浴びて日に日に緑が濃くなる果実は、大きくなると赤く染まります。色鮮やかな獅子唐の木は、ひときわ人目を引きます。

鉢の木ではてんぷらにしたり、焼いたり、さまざまなお料理に使います。熱を加えると栄養も吸収しやすくなります。加熱しても実が破裂しないよう、てんぷらの場合は小さな穴を開けておきます。丁寧に調理された獅子唐。鮮やかな色彩と季節の味をお楽しみください。