夏:獅子唐

鮮やかな緑色で細身なのにごつごつとした、ちょっと不器用な形がユーモラスな獅子唐(ししとう)。

先端の部分がへこみ、その中に小突起がある姿が獅子の顔に似ているのでその名が付いたとか。言われてみると個性的でチャーミングな顔が見えてきます。食べるとほかのものは何てことないのに、時々とても辛い実もあります。「大当たり〜」なんて、言ったものです。
原産は中南米。日本には16世紀ごろポルトガル人によって伝えられ、今ではすっかり和風になじみました。ナス科の植物でピーマンや唐辛子と同じ種類、栄養も豊富です。

鎌倉の畑でも、濃い緑の葉の影から獅子唐の白い花や果実が顔を出しているのが見られます。可憐な花は下を向いて、あたかもうつむいているようです。夏の日差しを浴びて日に日に緑が濃くなる果実は、大きくなると赤く染まります。色鮮やかな獅子唐の木は、ひときわ人目を引きます。

鉢の木ではてんぷらにしたり、焼いたり、さまざまなお料理に使います。熱を加えると栄養も吸収しやすくなります。加熱しても実が破裂しないよう、てんぷらの場合は小さな穴を開けておきます。丁寧に調理された獅子唐。鮮やかな色彩と季節の味をお楽しみください。

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