冬:大根

比較的温暖なここ鎌倉でも、つめたいと言うより痛いような風がふき始めて、いよいよ冬本番です。

冬場に作られる鎌倉の大根は、太くみずみずしくて、辛味が少なく、甘みが多い。葉は青々としていますが根は透き通るように白いのです。太陽の光を大きな葉で受け、地面の中で養分をたっぷり吸収した大きな大根が実ります。
畑から掘り出された大根は、寒さの中すばやく水洗いされます。美しい白さを出すためにこの作業は欠かせません。
今では少なくなりましたが、鎌倉でもお日様に向かってたくあん用の大根をさらす作業が見られます。晴れた日に富士山を背景にお日様に向かって一列に並ぶ「干し大根」はなつかしい、あたたかい光景です。

どんな料理にも合い、主役にも脇役にもなれるだいこん。そんなところから「大根役者」=癖のない、あたらない役者など、あまり名誉ではない比喩にも使われますが、やっぱり冬場は存在感のある大事な素材。
風呂吹き大根でそのあたたかい素直なおいしさを感じてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA